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TOP> 随筆・評論> 廃線(生命の行方) 或る創作ノートの旅
「常娟、明日から数カ月かけて以前から計画していた廃坑の下見に行って来るよ。今度ばかりは些か身の危険を感じなくもないし…」と、Sはかつて栄えた炭鉱の街を回想し、記憶の断片を辿り現代人の生存条件の本質に迫ろうとするが……。 この報告は人の悩める心を丹念に調査し書き記した実録である。それは現代という鏡に映し出された風雲急を告げる社会情勢の下、心に積もり重なったやり切れない寂寥を抱えて身動きが取れない多勢に代わって坑道を下りて行き、生と死の境界付近を前進後退し足元を歩測し、我が身の処し方にもがき苦しみ懸命に生きようとする姿を活写した物語である。